いじめられるリスクとしての栄養不良

不登校・ひきこもりを克服するための栄養療法 [Page3/5]

法政大学教授 宮川路子

3.いじめられるリスクとしての栄養不良

  そして、注目しなければいけないのは、栄養不良がいじめる人を作るだけでなく、いじめられるリスクにもなりうるということではないでしょうか。

決していじめられている人を非難しているのではありません。子供の栄養不良は子供の責任ではありません。いじめられていることによって食欲不振に陥り、栄養状態が悪化している可能性もあります。

けれども、このような関係があることを知ると、いじめられている人が、しっかりと頑張って栄養を摂る必要性があるということがわかります。

栄養を摂れば確実にこころが元気に強くなりますから、困難にも立ち向かうことができるようになり、良い方向に向かうきっかけとなるかもしれません。

4.どのように栄養不良に対応すればよいのか。親子の栄養療法

  栄養不良を放っておいてはいけません。しっかりとバランスの良い食事を摂るようにしましょう。

食欲が無いのであれば、是非サプリメントを摂ってください。
お子様であって、子供用のサプリメントがいろいろとありますし、大人のサプリメントを小さくして摂ってもよいでしょう。
ビタミンB群やビタミンCなどの水溶性ビタミンであれば大人の量をそのまま摂っても問題はありません。

いじめられていたり、不登校・ひきこもりになってしまっている子供の親も、精神的に厳しい状況に陥ります。
子供のことで悩んでしまって、食事をきちんと準備する元気が出ないことが多いでしょう。それに子供がずっと自宅にいますから、3食の食事を準備しなければいけませんので、とても大変です。

「どうせ朝は遅くまで寝ているので朝昼一緒にして丼物が多いです。」

「食事の準備に疲れてしまって、朝は適当にパン、菓子パン、昼はチャーハン、おにぎり、焼きそば、ラーメンなどと決めています。」

「食費もかかって大変なので、やはりご飯を多くしておかずは少なくなってしまいます。」

「自室にひきこもっていていつ食べるかわからないし、夜中に出てきて食べることもあるので、冷めても良いようにと思うとメニューが限られてしまいます。」

「私自身が精神的にも肉体的にも疲れてしまっているので、買い物にも出かけられないことがあります。そういうときにはインスタント食品やコンビニのお弁当で済ましてしまうことがあります。。。」

「メニューは限られていて、糖質中心の食事となってしまいます。」

「身体に悪いとは思っているのですけれど、どうしてもちゃんとご飯の支度ができないのです。。。」

と悲しそうに話す母親の多いこと。

食事の用意は本当に大変です。しかも、食事を準備して楽しく一緒にご飯を食べるのなら良いのですが、気持ちが沈んでいる子供とおしゃべりすることもなく、感想を言われることもなく、ひっそりと寂しく食べているケースが多いのです。これでは作ろうという元気もなくなってしまって当然です。

子供のケアをしっかりとしなければいけない親もまた栄養不良に陥っているのです。そのために、親のメンタルも悪化していきます。そして、親子ともにひきこもり傾向となっていくのです。

そういうときに私は、

「無理をしないでためらわず、サプリメントを利用して下さい」

とアドバイスしています。

とりあえず必要な栄養が摂れると細胞がエネルギーを作り出します。
エネルギーが湧いてくれば、こころと身体が元気になります。

すると、ポジティブな考え方ができるようになり、積極的に行動することができます。
そしていろいろな良いアイデアを考えつきます。
ご飯もしっかり作れるようになるのです。

栄養摂取はすべての事態を好転させる大きい力、大きい可能性を秘めているのです。

栄養療法についての情報発信を次のサイトで行っています。ぜひご覧ください。

こころと身体の栄養療法

こころと身体の栄養療法

はじめまして。予防医学、栄養医学を専門としております法政大学の宮川路子です。 私は高校生のとき、父のがん闘病をきっかけに医師を志しました。 医学部を卒業した後、大学院で病気の原因を探る疫学について学び、生活習慣病の原因を明らかにし、リスクを乗り除くことで病気を防いでいく予防医学を専門としてきました。 …